公共住宅政策の破綻

2011.12.31

住宅政策の重要部門、公共住宅の用地取得を困難なものにしました。東京都の都営住宅建設用地の場合、その取得面積は八六、八七年度と毎年度四〇パーセントの割合で減少し、しかも取得した用地の九〇パーセント近くが国公有地でした。民有地の買収は地価が高すぎてできなかったわけです。これでは公営住宅の建設はままならない。公社、公団の場合も同様で、公共住宅の供給戸数は年々先細りしていくしかありませんでした。あるいは、高価格の民有地を取得して住宅を供給するにしても、その家賃、分譲価格は高額化せざるをえません。

[参考情報]
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このころ私は、東京都住宅供給公社が新宿区で販売した再開発による分譲住宅に九〇〇〇万円強の価格がついたのに驚いたことを記憶しています。これは勤労者のための住宅を供給するとうたった地方住宅供給公社法を裏切るものにほかなりません。こうした状況では、政策当局にとっては最低居住水準未満世帯の解消どころでなくなります。官僚に政策的怠慢を起こさせたのには、こうした背景もあったと見ていいでしょう。最低居住水準未満世帯の固定化は一このころから始まっていたのです。それに追い討ちをかけたのが小泉構造改革でした。このように見てくると、日本の住宅事情で先進国と異なる負の節分は、多くは政策的に引き起こされたものであると理解できるでしょう。だから住宅問題とは、住宅政策の問題であるといわざるをえないのです。