入園式の日、ネイティブスピーカーの保育士Jとアメリカ人家族B夫妻を紹介してもらった。次の日からさっそく園での生活が始まった。英語で指示を与える時間かあるので私は今まで覚えたフレーズを使うチャンスだとうれしかった。「ちょっと、やめなさ〜い、あぶないからね」。「ゆっくりたべなさいね」。ところが、私が指示をだしたとたん、Jが驚いた表情で口に手を当てて固まってしまった。一瞬何のことかわからずWhat’sthematter?(どうしたの)と聞いた。Jは「その英語どこで覚えたの」ときくのだ。私は当然ほめられたのだと思い「アメリカの民間保育所よ」と得意げに答えた。Jは何も言わなかった。3週間たったある日、参観日があり園の活動見学をするために保護者や祖父母がやってきた。どの活動を見学しても良いのだが英語指導の活動は人気があり見学者が多かった。そこにはもちろんニコニコ顔のB夫妻がいた。活動が始まって私が2、3言英語をしゃべった瞬間、B夫妻の顔が引きつった。B婦人はいきなり子どもの輪の中に入って来て、自分たちの子ども2人を連れて部屋を出て行った。ご主人も奥さんと子どもの後を追って出て行ってしまった。