家造りは「夢と希望」と「不安」が錯綜する

2012.01.23

同僚が新築をして社宅を去る、旧友から新築新居への転居通知がくる、はたまた金利が安い、税制上の優遇が受けられる、もしくはそろそろ子供部屋が必要になった、などが刺激となり、家を造る機会が訪れる。新居への「夢と希望」と同時に、一方で不安が錯綜する。新しい家での楽しい生活を想い浮かべる半面、世間を騒がせている欠陥住宅……。人生で「家造り」はそう何度もない。家造りは経済面や精神面でも大変なエネルギーを使う。それを考えると、借家や中古住宅を転々としている人のほうが気楽で幸福なのかもしれない。

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しかしそういう人も、チャンスがあれば自分の家を建ててみたいと内心は思っている。一億総中流時代といわれて久しく、今や誰もが家を持とうと思えば持てる時代である。一生のあいだ借家住まいを決め込んでいる人でも、急辿、家を造るはなしが持ち上がるかもしれない。今は何だかんだといっても、歴史的に裕福な時代である。昔は貧富の差が大きく、家を建てるのは一部の資産家だけであった。そして、彼らの間では「満足な家を造るには、最低でも三軒は造らなければならない」といわれた。贅沢な話である。しかし、この話の背後には「最初の二軒は失敗するよ」という怖い内容が含まれている。こうなると、最初で最後かもしれない新築のチャンスが訪れたとき、何がなんでも、いい家を造らなければならない、失敗は許されない、欠陥住宅などは許されない。