建て替えに必要な「客観的な要件」

2011.10.27

賛成しない二割の人々の「財産権」「居住権」はどう保証するのか。高齢者や経済的余裕のない人は建て替えに参加しにくいと予想される。建て替えが敢行されれば、これらの人々は住戸を売り渡してマンションを出ていくことになる。住む家を失った彼らは路頭に迷うのではないか。多くの議員から改正への疑問が投げかけられたが、政府間は「問題ない」と答えた。多数決とはいえ、議決成立には誰しも納得できる「客観的な要件」をつけている、この客観的要件が強引な建て替えの歯止めになると胸を張った。「(老朽、指図、一部減失などで)建物がその効用を維持し、または回復するのに過分の費用を要するに至ったとき」との規定がそれた。字義どおりとれば、建物がボロボロになって「修繕費用が多額」になり、誰もが往みにくくなった場合にのみ決議成立、となる。マンションは建て替えたし、されど少数者は切り捨てがたし。それが法務省の本音だったのだろう。田中角栄が内閣に押し込んだ、当時の法務大臣は、別の観点から安心しろと語っている。「いま一一〇万戸マンションといいますけれど、だいたい三大郡市圈なんですね。したがって古くなったら必ず地代が上がっているのですよ。土地の値段が上がるから、結局出ていく人もかなりの金額を取得していく」右肩上がりの地価で立ち退き料はカバーできる」永遠に地価は上り続けるとする「土地神話」を信じきった発言だった。