結婚を目前に控えて、Sさん(二十四歳)は夫となる人の器を見切ってしまったような気がしている。彼は生活力があり、仕事にも意欲をもっているが、平凡で取り立てて長所もなかった。もちろん、それを不満に思う気持ちはSさんにはない。しかし、結婚式の日が近づくにつれて、「この人から私が得るものは何もないのではないか」という思いが、次第に強く彼女の頭の中に反響するようになる。もうすでに「先が見えてしまった」気がするのだ。結婚は、ただ男女がいっしょに暮らすだけのことではないはずだ、と彼女は思う。1+1=2ではつまらない、そこにプラスアルファが生み出せないとしたら、あえてこの人と結婚することに意味はないのではないか、とまで考える。たとえ彼の価値観が自分のものとはだいぶ違っていたとしても、私を変えさせるほどの強さをもっていたとしたら、私たちの結婚から新しい何かが生まれるに違いない。
[参考サイト]
ALSOKのお祝い電報
http://alsok-denpo.com/shop/c/c10
新しい発見、新しい世界の広がりのために、喜んで異なった価値観を受け入れよう、とも思う。「ところが彼ときたら、こんな面をもっていたのかと思わせる意外性が全然ないんだから」Sさんの考え方が正しいとは思わない。ただ、それが漠然とないものねだりをするのでなく、「自分の求めているもの」をきちんと知っているのであれば、必ずしも非現実的な考え方ではなくなる。いったい自分がもっとも強く求めているものは何か、自分の人生でいちばん大切なものは何か、を知り、それをこの相手は満たしてくれるだろうか、と判断するのであれば、である。