論述問題が中心となる国立二次を受ける場合も、二ヶ月の教科書の暗記を基本ベースにして、プラスアルファのオプションをつけた大学受験勉強が必要だ。そのために使うのは、まず新書の歴史本だ。全体的には、日本史は『日本の歴史上・中・下』(岩波新書)、世界史は『新書西洋史』シリーズ(中公新書)と『新書東洋史』シリーズ(同)がいい。新書を論述対策の大きな武器として用いるのは、じつは灘高方式である。「いつ」「だれが」「どうした」と、こまかな歴史事項がブツ切りでならんでいるだけの教科書では、歴史の大きな流れをつかむことができない。つまり、歴史現象が「なぜ起こったのか」「その後どうなったか」が欠けているのである。論述問題では、この歴史観をもっていないと、理路整然とした解答を書きにくい。一つの歴史観から書かれた一冊の歴史本を読むことで、歴史的なものの考え方が身についてくるはずだ。しかも、新書は、こまかい固有名詞は必要最小限におさえて一言いたいことを強調する文体で記述がなされている。この文章のスタイルは、論述問題を解く際の絶好の手本になるのである。以上のことから、新書をテキストとして使うといいのだが、これを一日のコマ数の中で読む必要はない。