大学に教師がいなかったら、大学ほどいいところはない、といえるかもしれません。それでも、例えば、私たちの大学には二百人程度の専任教師がいますが、教師よりもできる、学力が上の学生はいない、といっていいでしょう。残念ながら、そんな状態です。早稲田の場合は、教師よりできる学生が、半分とはいいませんが、三分の一はいるでしょう。東大の場合は、ほとんど全員、学生の方ができる。学力が上です(三十年前と現在とでは、学力の絶対値は、断然現在の方が高い、という事情もあります)。だから、これは笑い話ですが、万がべ「おい、○○、東京大学の教師にしてやる」といわれても、私はただちにお断りします。全員、自分よりできる学生に教えるほどいやなことはないでしょう。私は、高校までは、自分よりできない教師に習っていたという実感(半分は自惚れですが)があったものだから、教師のことを本当に軽蔑していた。それと同じことをされるわけでしょう、毎日。何で安い給料もらって、学生にバカにされなきやならないの、といいたい。ただし、賢い教師は、学生がバカにしていても、それに気づかない振りができるのです。私にはその賢さが欠けています。
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